パルプ・紙
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パルプ・紙業界とは
「パルプ・紙業界」は、様々な紙製品の製造と販売を担う事業で、「製紙業」とも呼ばれています。雑誌、書籍に使用する印刷用紙はもちろん、梱包用の段ボール資材、一般家庭で使用するトイレットペーパー及びティッシュなど、あらゆる紙製品の素材を開発し、各メーカーから、依頼を受けて販売するのが主な仕事です。
インターネットの普及後、世の中がペーパーレス化する中で、パルプ・紙業界は苦境に立たされながら、新たな事業展開を進めています。
目次
パルプ・紙業界の概要
パルプ・紙業界の変遷

日本におけるパルプ・紙業界の歴史は「実業界の父」と呼ばれた「渋沢栄一」(しぶさわえいいち)によって、150年前に日本初の製紙会社が設立されたことに始まります。
当時は、和紙以外の紙は欧米から輸入していたため、紙幣、書籍、新聞紙などに使用する洋紙を国産化する目的がありました。それまで日本になかった洋紙の製造は苦難の連続で、外国人技師を招き、輸入した機械を用いて何とか商品化させたのです。
その後、製紙会社は時代の変化とともに、社会のニーズに応えながら、様々な紙製品の研究開発と販売を行ってきましたが、2000年(平成12年)をピークに、紙の需要は少しずつ下降していきます。
インターネットの普及とともに、行政及びオフィスでもペーパーレス化が進み、人々は新聞紙ではなくスマートフォンを片手にネットニュースを見る「デジタル時代」が到来。こうして、パルプ・紙業界は大きな転換期を迎えることとなり、製紙以外の新たな分野の開拓が始まりました。
そして、パルプ・紙業界が新たに注力している事業が、「セルロースナノファイバー」(CNF)の生産です。紙の原料であるパルプの研究が進められた結果、木の繊維を微細化してほぐすことで、最先端のバイオマス素材が生み出されました。
環境にも優しい素材であるセルロースナノファイバーは、カーボン及びファイバーに続く新たな素材として、自動車分野と電子機器など、あらゆる産業での活用が進められています。
紙の需要と古紙リサイクル
ペーパーレス化が進んだデジタル時代においても、変わらず紙製品を必要としている分野はたくさんあります。例えば、お菓子などあらゆる商品のパッケージに使用されている厚紙、ティッシュ及びトイレットペーパーといった生活用紙、商品を梱包する段ボールなど。
特に、インターネット通販の需要拡大で、段ボールなどの梱包資材分野はニーズが急速に高まっています。さらに、超高齢化社会に突入した日本では、紙おむつ分野の拡大を図る企業も出てきました。
また、日本の古紙リサイクル分野は、世界トップクラスの利用率と回収率を誇っています。日本製紙連合会の調査によると、2021年(令和3年)の国内の古紙利用率(紙、板紙合計)は66%で、回収率は81.1%でした。
このような背景には、日本は古紙から異物、インクを取り出す技術が優れていることと、古くから分別回収、古紙の回収システムが確立されていたということが関係しています。
パルプ・紙業界の現状と課題
パルプ・紙業界の動向

日本製紙連合の調べによると、2020年(令和2年)の国内ひとり当たりの紙、板紙の消費量は178.4㎏で、世界平均の52.3㎏の3倍以上と世界トップクラスの消費量でした。
しかし、コロナ禍でのテレワークの浸透、政府の脱印鑑政策など、多くの要因によってパルプ・紙業界は、依然厳しい時代が続いています。段ボールとともに好調だった板紙も、梱包の簡素化が進んだことで需要が低下。
コロナ禍以降は、衛生紙に注力する企業が増加しており、衛生用品を手掛ける海外企業の買収、新工場建設など、衛生紙事業強化への流れが見られました。
一方で、世界的な取り組みである「脱プラスチック」は、パルプ・紙業界にとって商機となる大きなトピックです。
プラスチック製のごみによる海洋汚染が問題視されたことで、世界的に展開する飲食チェーン及びコンビニなど、大手企業がプラスチックストローの提供を中止。代わりに導入されたのが、環境負荷の少ない紙製ストローです。
消費者から使用感に関して不満の声が上がってはいるものの、プラスチックの代替素材として紙への期待が高まっています。
パルプ・紙業界の課題
パルプ・紙業界にとって大きな課題となっているのが、「脱炭素社会」への取り組みです。製紙業は紙の乾燥工程で大量のエネルギーを消費するため、二酸化炭素排出量が多い産業となっています。
これに対し、大手企業は再生可能エネルギー、製造時に出る排液を再利用した燃料への切り替えを進めていますが、2020年(令和2年)時点では、石炭及び重油など化石燃料の使用率が約半数を占めていました。
2050年までに温室効果ガス排出量ゼロを目指す「カーボンニュートラル」の実現に向けて、パルプ・紙業界は、大胆な燃料転換が急務だと言えます。
パルプ・紙業界の企業一覧
王子ホールディングス
「王子ホールディングス」は、渋沢栄一が設立した「抄紙会社」(しょうしがいしゃ)をルーツに持つ、業界最大手の製紙企業です。
1900年初頭に新聞紙、印刷用紙の国産化を実現させ、段ボールなどの生活産業資材の生産から古紙リサイクル事業まで、時代の変化とともに製紙事業を拡大。多くの企業合併をしながら、いち早く海外事業の拡大を行い、世界規模の製紙企業へと成長しました。
2022年(令和4年)3月期には、過去最高益を達成。バイオマスプラスチック、セルロースナノファイバーの開発にも注力し、再生可能エネルギーを利用した電力事業も展開しています。
会社名 | 所在地 | 市場区分 |
---|---|---|
王子ホールディングス 株式会社 |
東京都中央区銀座4-7-5 | プライム |
日本製紙
「日本製紙」は、王子ホールディングスと同様に抄紙会社にルーツを持つ、業界2位(2022年[令和4年]3月期)の大手製紙企業です。国内3ヵ所の生産拠点を持つ新聞用紙部門と、豊富なノウハウと技術を持つ、液体用紙容器(紙パック)部門では国内トップシェアを誇ります。
2012年(平成24年)にグループの再編、翌2013年(平成25年)には事業会社制へ移行し、グループシナジーを活かした企業経営を強化させました。
環境に優しいパッケージ製品の開発に注力する他、「三菱商事」(東京都千代田区)と共同で「石炭・木質バイオマス混焼発電事業」にも取り組んでいます。
会社名 | 所在地 | 市場区分 |
---|---|---|
日本製紙株式会社 | 東京都千代田区神田駿河台4-6 | プライム |
レンゴー

「レンゴー」は、大阪府大阪市に本社を置く業界3位(2022年[令和4年]3月期)の大手製紙企業。段ボール、板紙などの包装紙業界最大手です。
創業者の「井上貞次郎」(いのうえていじろう)は、日本で初めて段ボールの生産に成功した人物。井上貞次郎は段ボールの名付け親でもあり、段の付いたボール紙であることから覚えやすい「段ボール」という名称を生み出しました。
1970年(昭和45年)から総合包装企業となり、アジアでの海外展開を進めながら事業を拡大。軽くて薄いが丈夫で二酸化炭素排出量が少ない「軽薄炭少」(けいはくたんしょう)段ボールの生産工場を設け、環境に優しい理想的な段ボール、包装紙の生産プロジェクトを推進しています。
会社名 | 所在地 | 市場区分 |
---|---|---|
レンゴー株式会社 | 大阪市北区中之島2-2-7 | プライム |
まとめ
明治時代における日本の産業革命とともにスタートした日本の製紙業。150年という歴史の中で社会の変化に対応しながら、様々な紙製品を生み出してきました。デジタル時代に突入した現代日本においては、パルプ・紙業界は新たな事業への大きな転換期を迎えています。
時代のニーズに合わせた事業展開を行いながら、「海洋プラスチックごみ問題」を追い風に「脱炭素」への取り組みを強化させることが、パルプ・紙業界に課せられた目標だと言えるでしょう。
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