初心者でも分かる!東証マザーズ企業とは?上場審査基準は?解説します!
ベンチャー企業が多く上場する東証マザーズ。他の取引所とは異なり、企業の成長性を重視していることが上場の条件です。一定の条件を満たしていれば赤字でも上場ができ、10年以内に東証1部2部へのステップアップを目標としています。
東証マザーズに上場するためにはどのような要件をクリアしていればいいのか、上場審査基準や実際に上場したベンチャー企業をご紹介しましょう。初心者でも分かるように、他の市場との違いもまとめました。
▼ 目次
東証マザーズとは?どんな取引所?
東証マザーズとは、東証1部や東証2部のように企業が上場できる東京証券取引所の市場。他の市場と異なるところは、東証マザーズはベンチャー企業向けの市場であるということです。
同じ新興市場としてはJASDAQもありますが、JASDAQには直前期末に赤字であってはいけないという条件があります。一方で東証マザーズは、成長性がある理由が明確であり一定条件を満たせば、赤字でも上場可能。10年以内には東証1部2部へステップアップするために、ベンチャー企業が足がかりにする上場する市場です。
東証マザーズの歴史と主な分野
東証マザーズの「マザーズ」という名称は、「Market of the high-growth and emerging stocks」の略。1999年(平成11年)11月11日に開設された市場です。東証マザーズがスタートしたばかりのころはまだ上場企業数は多くありませんでしたが、次第に上場する企業が増えていきます。
2003年(平成15年)には東証マザーズ指数が算出されるようになり、東証マザーズに上場した企業の株は「成長銘柄」として認知されるようになってきました。近年ではバイオやロボット、ITサービスなどに関する会社が東証マザーズの上場企業です。
東証マザーズに上場するメリットとは
ベンチャー企業が東証マザーズに上場することには、様々なメリットがあります。まずは資金調達がしやすくなること。会社を立ち上げたばかりで金融機関から融資を受けることが難しいベンチャー企業にとっては大きな利点です。
例えば、バイオやロボット関連の事業は将来的に有望であると分かっていても、開発や設備投資にはお金がかかります。まとまったお金が必要であるため、資金調達の手段としてマザーズに上場し株式を発行することで、赤字の状態からも資金を集めることが可能。借入金ではないため、返済の必要がないこともメリットです。
ベンチャー企業にとっては自社の知名度を上げるチャンス
非上場の企業と比べたときに、東京証券取引所に上場すると知名度が上がることも魅力です。会社設立から数年しか経っていないベンチャー企業であっても、東証マザーズに上場すれば各種メディアでも紹介され、広く名前が知られることになります。
また、上場には厳しい条件が設けられているため、その条件をクリアしたことが評価されて投資家からの信用度も向上。さらには人材面においても、優秀な人材が集まりやすくなることも企業側のメリットです。
東証マザーズの上場審査基準について
東証マザーズに上場するための審査基準については、日本取引所グループのホームページ上に要件が記載されています。さらには「新規上場ガイドブック」も発行し、審査基準にかかわる理由も明示。投資家にとっては市場の健全性を確認できる資料です。
上場時までに株主数が200人以上必要である
東証マザーズの上場審査基準のひとつに、株主数を200人以上にすることがあります。株主数については市場の流動性を確保するために定められた要件。特定の株主ばかりに株が保有されるのではなく、分散保有されるように一定数以上の株主に行き渡らせなければなりません。
加えて、上場までには500単位以上の公募を行なうことという注釈も添えられています。マザーズ市場がある程度の流通株式を確保して、調達できた資金をもとに企業の成長を促すことが目的。上場日における時価総額が10億円以上になることも、上場審査基準のひとつです。
コーポレート・ガバナンス(企業統治)に関する要件とは
企業が上場することで投資家にとっては投資対象になるという側面から、投資者保護のための審査も必要です。主な要件は、取締役会の設置。会社法上では義務ではありませんが、適正な監督機能が働いているかどうかを見る条件として取締役会の設置を求めています。
東証マザーズ上場の流れ
ベンチャー企業が上場することを決めた場合、上場申請をして承認を得るために社内整備が必要です。例えば、社内規定を整備して業務のマニュアル化を進めたり、経理部門と財務部門を分離して不正を防いだりすることなどが挙げられます。
上場申請には、直前2期間分の監査証明が必要になるため、3月期決算であれば上場2年前より監査を開始。最低でも3年前からは監査法人と連携を取って上場申請に備える流れです。
東証マザーズの審査期間は約2ヵ月
上場準備が終わって上場申請を行なったあとは、東証マザーズの場合は承認までに2ヵ月ほどかかります。2ヵ月の間でベンチャー企業や監査法人へのヒアリング、工場や施設の実地見学などを実施。最後には社長説明会が行なわれて、社長が証券取引所に対して経営方針や事業計画などの説明を行ない審査終了です。承認を受けた場合には、上場契約をしてマザーズに上場できます。
東証マザーズ上場の記念セレモニーも行なわれる
新規でマザーズ上場が決まった企業に対して、記念のセレモニーも実施されます。上場日の当日には東京証券取引所に社長や社員が集合。上場通知書の贈呈式や記念の鐘を打つ場面もあり、上場企業にとって一大イベントです。
東証マザーズから東証1部・2部に市場変更した企業
短期間で東証1部上場を達成する企業
国内の様々な企業が東証マザーズから東証1部に上場するなかで、短期間での上場に成功している事例が出てきました。株式会社 一休は、2005年(平成17年)にマザーズへ上場した企業で、2年後の2007年(平成19年)には東証1部に上場。株式会社フィデック(のちにアクリーティブ株式会社へ社名変更)は1年で東証1部に上場できた事例として伝えられています。
東証マザーズ上場から10年経過後の選択制度
東証マザーズに上場してから10年が経ったときに、上場維持基準の水準を満たしていると、上場企業には2つの選択肢があります。東証2部に市場変更するか、そのままマザーズを継続するかのどちらかです。
この制度は2011年(平成23年)3月の改正により始まったもので、東証1部へのステップアップを目標とすることの明確化から採用されました。関係者やアナリストからは「10年ルール」とも呼ばれているもので、市場選択により東証2部に変更した企業もあります。
もしマザーズ継続を選んだ場合には、5年経ったときに再び市場選択を行なうルール。マザーズ継続を選ぶ企業は、成長企業としてのブランドイメージを保ちたい、すでに東証1部上場への準備を始めているなどの理由です。
東証マザーズ上場企業の特徴とは?共通点は?
東証マザーズに上場している企業の共通点を探してみると、ユニークなビジネスモデルを持つ企業が多いことが分かります。マザーズ上場企業は将来的に東証1部への上場を目指していますが、大企業がひしめく既存のビジネスでは規模的にもかないません。そのため、他社にはない斬新なアイデアで勝負しようという考え方です。
投資家は、マザーズ上場企業がどのような新しいサービスや技術の提案しているのかという点に注目してみると、企業の成長性を予想できます。
短期間で株価が急上昇することもある
投資家目線から見た場合、どのような銘柄を選ぶか考えるときにテーマを重視するケースもあります。例えば、金融にテクノロジーをかけ合わせた「フィンテック」や、超高齢社会対策の「ロボット」。トレンドに応じて一躍注目され、急成長して大きな利益を生み出す可能性があることもマザーズ上場企業の特徴です。
東証マザーズ上場企業に投資するときの注意点
東証マザーズに上場している企業に投資するには、リスクも考慮しなければなりません。成長銘柄という位置づけである以上、株価が急騰急落しやすいことがマザーズ株の特徴です。
ときおりテーマ性が人気を呼ぶこともありますが、悪業績を機に株価が急激に落ちてしまう場合もあります。値動きが激しく投資のタイミングも難しいため、リスク性のある投資対象であることを認識しておきましょう。
上場廃止に至るケースもある
債務超過や事業活動の停止、粉飾決算の発覚などの理由から、上場廃止に至る事例もあります。いずれの場合も上場廃止になってしまった理由は共通していて、経営困難から事業を続けられなくなった企業です。
マザーズ市場には赤字で上場している企業もあるため、利益が出なければ投資家にも還元されません。株価が下がったときにも、一時的に下落しているのではなく、経営状況の悪化が原因ではないかどうかを確認しておきましょう。
※この記事は、2018年5月時点の情報に基づいて作成されています。
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